2018年英文レター誌SOLA論文賞受賞者が決定しましたのでお知らせ致します (PDF)。
これまでの受賞者はSOLA論文賞 歴代受賞者一覧でご覧になれます。
2018 年英文レター誌 SOLA 論文賞受賞者について
英文レター誌 SOLA 編集委員会では,一年間に SOLA に掲載された論文の中から,毎年一編程度の優秀な論文を選定し, SOLA 論文賞(SOLA Award)として顕彰することとしています.2018 年は,下記の通り,伊藤耕介氏(琉球大学)ほかによる論文を SOLA 論文賞として決定いたしましたので報告いたします.
SOLA, Vol.14, pp.105−110, doi:10.2151/sola.2018-018.
by Kosuke Ito 1, 2, 6, Hiroyuki Yamada 1, Munehiko Yamaguchi 2 , Tetsuo Nakazawa 2, Norio Nagahama 3, Kensaku Shimizu 3 , Tadayasu Ohigashi 4, Taro Shinoda 5 , and Kazuhisa Tsuboki 5
1University of the Ryukyus, Nishihara, Japan
2Meteorological Research Institute, Tsukuba, Japan
3Meisei Electric Co., LTD., Isesaki, Japan
4National Research Institute for Earth Science and
Disaster Resilience, Tsukuba, Japan
5Nagoya University, Nagoya, Japan
6Japan Agency for Marine–Earth Science and Technology, Yokohama, Japan
選定理由:
熱帯低気圧の解析・予報においてドロップゾンデ観測の重要性は良く知られており,大西洋では現業でドロップゾンデ観測が実施されていた.現業観測が 1980 年代後半に終了した後は,ドボラック法により台風強度の推定がされている.しかし,ドボラック法には不確実性があるため,熱帯低気圧に関する正確な情報を得るには観測が重要であることには変わりはない.本研究で著者らは,2017 年台風 Lan(台風 21 号)の航空機によるドロップゾンデ観測を実施し,観測データを同化することで台風の予報実験を行った.その結果,台風の解析・予報においてドロップゾンデ観測がプラスのインパクトをもたらすことを示した.本研究は,熱帯低気圧に対するドロップゾンデ観測の重要性を示し,熱帯低気圧の解析・予報の改善のための研究をさらに促進するものだと期待される.以上のことから,標記論文を SOLA 論文賞受賞論文として選定する.