日本気象学会名誉会員の小倉義光先生におかれましては,2022年5月29日に100歳でご逝去されました.
小倉先生は熱対流,ハリケーン,スコールラインなどのメソスケール気象学の世界的な大家であり,非弾性方程式系の導出など数値モデリングにおいてもパイオニア的存在として,世界の気象学研究をリードする研究教育活動を続けて来られました.
小倉先生は,1954年に「大気乱流の研究」により日本気象学会賞を受賞されました.1964年に東京大学海洋研究所教授となられた後,1969年からは米国のイリノイ大学で研究教育活動に尽力されました.また,「一般気象学」をはじめ,専門家向け・一般向けの多くの著書を残されました.1980年に「気象力学の発展および教育普及に尽した功績」により日本気象学会藤原賞を受賞され,1998年には「気象力学の研究及び優れた多くの著作による気象学の教育・普及」により日本気象学会名誉会員に推挙されました.
2017年には小倉先生からの多額の寄附により,気象学会に「小倉義光・正子基金」が設立され,国際的に著名な研究者を招聘して行う「小倉特別講義」,気象学の教育及び普及・啓発に貢献された方などを顕彰する「小倉奨励賞」等に幅広く活用されています.
日本気象学会理事会は,小倉先生のご逝去を謹んで会員の皆様にお知らせするとともに,そのご功績を偲び心からご冥福をお祈り申し上げます.