東日本大震災への対応

東 日本大震災では、地震動、津波、福島第一原子力発電所の事故により、尊い人命が失われると共に、多大な被害が生じ、その深刻な影響は長く続くものと思われ ます。亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

社団法人日本気象学会では、震災発生直後 から、様々な対応をとってきており、特に、福島第一原子力発電所の事故により大気中に放出された放射性物質の拡散については、その実態の解明のための研究 会活動や今後の対応に関する提言を行ってきております。本ページでは、これら一連の活動を紹介いたします。

会員向け理事長メッセージの発出

  1. 2011年3月18日:福島第一原子力発電所の事故が極めて深刻なものになる可能性のある中、研究者が拡散シミュレーションの結果を公表する際には社会が引き起こす影響を十分考慮したうえで行動することを促しました。
  2. 2011年4月11日:3月18日付けの理事長メッセージについての補足メッセージを発しました。
  3. 2012年3月5日:「原子力関連施設の事故発生時の放射性物質拡散への対策に関する提言」を行うに当たりメッセージを発しました。

学会の提言・意見提出

原子力関連施設の事故発生時の放射性物質拡散への対策に関する提言

2012年3月5日:気象学・大気科学の立場から、平時より原子力関連施設の事故発生時に備えて最大限の科学的協力をする姿勢を明らかにし、政府および原子力防災専門機関に対して提言を行いました。

    提言先

  • 内閣府原子力安全委員会
  • 原子力安全・保安院
  • 東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
  • 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会
  • 文部科学省科学技術・学術政策局原子力安全課防災環境対策室
  • 内閣官房広報室
  • 内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室
  • 細野豪志原発事故の収束及び再発防止担当内閣府特命担当大臣

原子力関連施設の事故に伴う放射性物質の大気拡散監視・予測技術の強化に関する提言

2014年12月17日:2012年3月5日の提言を具体化するために以下の3つの提言を行いました。

  1. 緊急時には数値モデル予測値を有効活用すべきである。
  2. モニタリング実測値と数値モデル予測値を組み合わせた最先端の監視・予測技術を開発・整備すべきである。
  3. 放射性物質の監視・予測システムの日常的な運用・情報発信と住民への啓発活動を行うべきである。

原子力規制委員会による「原子力災害対策指針(改定原案) 及び原子力災害対策特別措置法に基づき原子力防災管理者が 通報すべき事象等に関する規則の一部を改正する規則(案) に対する意見募集」への意見提出について

2015年3月31日:原子力規制委員会が3月5日付けで行なった「原子力災害対策指針(改定原案)及び原子力災害対策特別措置法に基づき原子力防災管理者が通報すべき事象等に関する規則の一部を改正する規則(案)に対する意見募集」に対して、日本気象学会理事会は3月28日に意見を提出しました


研究会等の開催(主催もしくは共催)

  1. 2011年度春季大会:東日本大震災に伴う原発環境汚染に関する勉強会の実施
    • 大気科学の研究者が集まり事態の科学的把握に関する検討を行いました。
      • 日時:2011年5月20日(金)18:00~20:30 (大会2日目)
      • 場所:国立オリンピック記念青少年総合センター
  2. 2011年度秋季大会スペシャル・セッション:「放射性物質輸送モデルに関する現状と課題」の実施
    • 空間・時間スケールの異なる放射性物質輸送モデルの現状と問題点を整理し、観測結果を踏まえて議論しました。
      • 日時:2011年11月17日(木)9:15~12:30 (大会2日目)
      • 場所:名古屋大学東山キャンパス
  3. 第36期評議員会:テーマ「現代社会における学会の役割と今後への展望」
    • 東日本大震災への対応に関する議論を行いました。
      • 日時:2011年12月22日(木)15~18時
      • 場所:KKR ホテル東京「白鳥の間」(11F)
  4. 2012年度春季大会シンポジウム:「放射性物質等の移流拡散問題 -モニタリング,予測,防災情報-」
    • 日時:2012年5月27日(日)13:30~17:00 (大会2日目)
    • 場所:つくば国際会議場大ホール
  5. 93rd American Meteorological Society Annual Meeting:Special Symposium on the Transport and Diffusion of Contaminants from the Fukushima Dai-Ichi Nuclear Power Plant: Present Status and Future Directions(日米気象学会共催)
    • 日時:2013年1月6日(日)8:30~17:20 (大会1日目)
    • 場所:Austin Convention Center (テキサス州オースチン)

「気象集誌」及び「SOLA」掲載の論文


被災会員への支援

2012年会費納入免除

  • 7名の会員からの免除申請を受理しました。