workshop2020

研究会「長期予報と大気大循環」(2021年1月18日開催)

気温をはじめとしたいくつかの観測要素の長期変化には地球温暖化の影響が明瞭に表れていますが,十年規模変動など長周期の気候変動の影響も受けていることから,その長期変化があまりはっきりとしていない要素もあります.一方で,長期トレンドとしては有意ではないものの,20世紀末以降でみると変化が見え始めているといったものもあります.また,来年には,気象庁が利用している平年値の10年ぶりの更新も予定されています.
そこで,今回の会合では,「日本の天候に影響を与えている現象の近年の傾向」をテーマとして、研究会「長期予報と大気大循環」を開催しました.

              記

主催:長期予報研究連絡会(代表 木本昌秀)
日時:2021年1月18日(月)13時30分~17時30分
場所:zoomを利用したリモート開催
事務局:気象庁気候情報課 藤川典久,萬納寺信崇,塩田美奈子

          プログラム・要旨

開会あいさつ 木本昌秀(代表)

座長: 藤川典久(気象庁)

1. 大気循環場の新旧平年値の比較(拡張要旨) 佐藤均、佐藤大卓(気象庁 大気海洋部 気候情報課)
2. 梅雨と秋雨の過去120年間の長期変動(拡張要旨) 遠藤洋和(気象研究所)
3. 1877年-2019年に日本に上陸した台風の長期変動(拡張要旨) 久保田尚之1, 松本淳2, 財城真寿美3, 三上岳彦2 (1:北海道大学, 2:東京都立大学, 3:成蹊大学)
4. 日本に接近する台風の過去40年の変化と移動速度の鈍化における太平洋十年規模振動の寄与(拡張要旨) 山口宗彦(気象研)、前田修平(高層気象台)

座長: 萬納寺信崇(気象庁)

5. 夏季日本付近におけるロスビー波の砕波頻度の十年規模変動(拡張要旨) 竹村和人1, 2, 向川均1, 前田修平3 (1京都大学大学院理学研究科, 2気象庁気候情報課, 3気象庁高層気象台)
6. 北極海の海氷減少と東アジアの寒冬について(拡張要旨) 森正人1・小坂優2・渡部雅浩3・田口文明4・中村尚2・木本昌秀3 (1:九大学応力研、2:東大先端研、3:東大大気海洋研、4:富山大)
7. 近年の日本の天候に見られる特徴と十年規模変動の関連 ~Urabe and Maeda (2014), Imada et al.(2017) の続報~(拡張要旨) 卜部佑介(気象庁気候情報課)、今田由紀子(気象研究所)、前田修平(高層気象台)
8. 近年の日本の豪雨や高温事例に地球温暖化が与えた影響 ~d4PDFによるEvent Attribution研究の進展~(拡張要旨) 今田由紀子(気象研究所)、川瀬宏明(気象研究所)