笠原彰名誉会員のご逝去について

日本気象学会名誉会員の笠原彰先生におかれましては,2022329日に95歳でご逝去されました.

笠原先生は,積雲対流,台風の発生と移動といった小・中規模な現象から,大気大循環といった全球規模の運動の解明にわたり数値予報,気候モデルの開発,および日本の気象学の向上と国際化に寄与されました.

笠原先生は1961年に「台風およびハリケーンの研究」により日本気象学会賞を受賞され,1963年にNCAR(国立大気科学研究センター)に移られた後,NCARの初期の大気大循環モデルの開発に精力的に取り組まれました.そしてこのモデルを用いて,大規模山岳が大気に与える影響や成層圏の循環などの研究をされるとともに,第1GARP全球実験(FGGE)の観測システムの設計にも重要な貢献をされました.また、1996年には「数値予報並びに大気大循環に関する研究」により日本気象学会藤原賞を受賞されました.さらに,1998年には「数値予報及び大気大循環の研究に於ける顕著な功績」により日本気象学会名誉会員に推挙されました.

日本気象学会理事会は,謹んで会員の皆様にお知らせするとともに,先生のご功績を偲び心からご冥福をお祈り申し上げます.