2022年6月10日の日本気象学会第42期第2回理事会において、以下のとおり「計算科学研究連絡会」の発足が認められました。今後、本研究連絡会を通じて、計算機を有効活用して個々の科学的課題を解決するための分野横断的な情報交換を推進していきます。
1. 設立趣意
気象・気候分野はこれまで高性能スーパーコンピュータの進歩とともに発展してきた。近年の急速な計算科学分野の進展を背景として、日本気象学会2021年度秋季大会では専門分科会「気象・気候分野における計算科学研究の展望」を開催した。同分科会においては、5-10年後に達成したい科学目標、およびそのために必要な高性能スーパーコンピュータ・モデル開発のあるべき姿を議論するとともに、次世代のモデル開発を担う人材の育成や計算科学分野との連携の必要性について共通認識が得られた。
このような背景を踏まえ、気象・気候分野の科学的課題を解決するための計算科学に関する最新の知見を共有するとともに、気象・気候分野と計算科学を用いる関連他分野との間の橋渡しを担うプラットフォームとなる「計算科学研究連絡会」を日本気象学会内に設置する。本研究連絡会の発起人は、次世代フラッグシップマシン開発を念頭に置いた計算科学ロードマップ(https://hpcic-kkf.com/#ancRoadmap)の気象・気候分野の執筆取りまとめを担当している。本研究連絡会は、このような関連他分野への気象・気候分野としてのインプットを継続的に担うことも想定している。
2. 設立目的:計算機を活用した気象・気候研究に焦点をあて、シミュレーション・解析・観測データ処理に関わる計算手法や、高性能計算・大規模並列計算・ソフトウェアツールに関する知見など、計算機を有効活用して個々の科学的課題を解決するための分野横断的な情報交換を推進する。これにより、気象学、大気科学等の研究を盛んにし、その進歩に寄与することを目的とする。
3. 運営:
・主に気象学会員を対象とする研究連絡会・セミナーの開催
・当連絡会Webページ(https://metsoc-hpc.github.io/)の運営
・関連情報のメーリングリスト等による共有
・計算科学ロードマップへの関与等を通じた関連他分野との連携強化につながる活動
メーリングリストへの入退会希望は連絡会事務局(metsoc-hpc-core(at)ml.riken.jp (at)を@に置換)まで。なお、2022年夏に地球デジタルツインの動向に関するワークショップを計画している。
4. 世話人(五十音順)
足立幸穂(理化学研究所)、小玉知央(海洋研究開発機構)、中野満寿男(海洋研究開発機構)、八代尚(国立環境研究所)