「気象学史研究連絡会」発足のお知らせ

「気象学史研究連絡会」の発足

気象学・関連科学史の学術研究推進をめざす

 

気象学史研究連絡会世話人グループ

 

2016年12月の第39期第7回理事会において、以下のとおり「気象学史研究連絡会」の発足が認められました。

 

1 趣旨

西洋において気象学が学問として成立して3世紀以上が経過し、わが国でも1875年に後の気象庁となる国家気象事業が創始、1882年に日本気象学会の前身である東京気象学会が創立されて百数十年、今日、気象学の成果は基礎科学から広く応用分野に至るまでこの社会に広く浸透し受容されている。気象学の隆盛は長い学術的・社会的・文化的な歴史に立脚しており、これらについての学術研究を推進していくことは、今後の気象学のさらなる発展を考える上できわめて重要である。

具体的には以下のような課題があると考えられる。

・気象学の分野で過去にどのような課題/論争/災害があり、それらがどのように克服されてきたか。

・気象研究や気象業務が社会でどのように扱われ受け入れられ、また社会の要求に対し気象学はどう対応してきたか。

・発掘・利用が進みつつある過去気象データは、いかに取得され、今日の気象データと比べてどのような特質をもっているのか。

・特に現代の急速かつ目覚しい学問や観測・予測技術の発達を如何に記録し、後世に検証可能な形で受け継いでいくか。

これらの課題に向き合い、気象学の歴史を明らかにしていくことは、過去の気候変動の解明などの研究に寄与するのみならず、今後の気象学研究のあり方や方向性を決める上での指針を与えるものにもなる。

今日の気象学の発展については日本気象学会の外でも大いに関心がもたれ、国際的に気象学史の再構築が試みられつつあり、これらの取り組みへの積極的な貢献もわれわれに期待されている。

本研究連絡会では学問としての気象学およびその社会的、文化的な側面を含む関連科学の歴史の学術研究を推進するため、日本気象学会内外の研究者・専門家など関心を持つ者の間の研究情報交換を促進する諸活動を行う。

 

2 活動の具体的内容

 前項に掲げた目的達成のため、以下の活動を行う。

・研究会合

年2回程度。基本的に大会にあわせての開催を予定。

主講演1件程度(基本的には世話人からの依頼による)と参加者からの話題提供・情報交換など。

・ウェブサイトやメーリングリストを通じた情報・意見交換、公開

 これらの活動は、気象学史に関する国内の学術研究推進のため、他の関連学会ほか一般の専門家、関心を持つ者に広く公開して行う。

 

3 発起人・世話人(順不同)

財城真寿美(成蹊大学)

藤部文昭(首都大学東京)

増田耕一(海洋研究開発機構)

三上岳彦(帝京大学)

山本晴彦(山口大学)

山本哲(気象研究所)

 

今後、2017年度春季大会での研究会合の開催やメーリングリストの運用など、順次活動を具体化していきます。最新情報はウェブサイトなどを通じてお知らせします。

https://sites.google.com/site/meteorolhistoryjp/

 

連絡先

山本哲(気象研究所)TEL 029-853-8615 FAX 029- 855-7240

メールでのお問い合わせは上記ウェブサイトの問い合わせフォームをご利用ください。