第48回夏季大学
テーマ:ザ・竜巻
日時:2014年8月2日(土)~3日(日)
場所:気象庁講堂(東京都千代田区大手町1-3-4)
当日の様子
講義内容と時間割
■ 8月2日(土)
09:40~09:45 開講挨拶
09:45~10:00 講師と夏季大学の概要紹介
10:00~11:00 竜巻の理解の現状と課題 新野 宏(東京大学大気海洋研究所)
竜巻は激しい大気中の渦であり,一度発生すると構造物や人に甚大な被害を与える恐ろしい現象である. 本講義では,最新の研究で竜巻の構造や発生機構などについて, 何がわかり,何がわかっていないのかについて紹介する.
11:15~12:15 大気中に観られる多様な渦とその成因 藤吉康志(北海道大学低温科学研究所)
大気中には雲で可視化される竜巻などの強い渦がある一方, 特殊な観測装置やデータ処理によって初めてその存在が認識できる竜巻もどきなども存在する. ここでは,身近に観られる様々な渦を紹介するとともに, 日本各地に設置したカメラでとらえた山と竜の関係を示唆する雲も紹介する.
13:30~14:30 数値シミュレーションによる竜巻の発生メカニズムに関する研究 益子渉(気象研究所)
竜巻の発生メカニズムは,今なお十分に理解されていない. しかし,計算機性能の向上や数値予報技術の進展により, ようやく竜巻そのものをシミュレーションすることが可能になりつつあり, 発生メカニズムの解明へ向けた研究が盛んに行われてきている. そのシミュレーション研究の最前線について紹介する.
14:45~15:45 局地的大雨等の予報精度向上にむけたデータ同化・アンサンブル手法の開発 瀬古弘(気象研究所)
ときに人的被害をもたらす竜巻や局地的大雨は,予報の難しい現象の一つです. ここでは,竜巻・局地的大雨などの予報精度を向上させるために取り組んでいる データ同化・アンサンブル予報の研究について,ご紹介します.
■ 8月3日(日)
09:00~10:00 竜巻被害とその対策:風工学の立場から 田村幸雄(東京工芸大学)
竜巻等の突風による建築物等の被害の様子,飛散物の影響等について概観し, 建築物や施設の重要度,遭遇確率等を考慮した取るべき合理的対策, 風工学分野で現在進められている竜巻被害低減へ向けた関連研究を紹介する.
10:15~11:15 竜巻等突風被害の現地調査 中里真久(気象庁観測部)
各地の気象台では,竜巻等の突風による被害が発生した際に現地調査を行い, 現象の種類,強さ等について取りまとめ,気象庁ホームページで公開している. 講義では,現地調査の概要,問題点,最近の動きなどについて紹介する.
11:30~12:30 竜巻・突風に関する防災気象情報の仕組みと利用 田中恵信(気象庁予報部)
竜巻注意情報をはじめとした竜巻・突風に関する防災気象情報を気象庁では運用している. その中で使用している予測技術の概要を紹介する. また,これらの情報はどのように利用されているかについても紹介する.
13:30~14:30 気象情報の利用や伝達について 南利幸(気象予報士)
テレビにおける気象情報は,「晴れ時々曇り」などの府県予報をマークにした画面を基本にしながら, 様々な画面を用いて伝達しています. 局地的な天気変化はどのようにして視聴者に伝えるのか,取り組みを紹介します.
14:45~17:00 気象庁見学
■ これまで(第40回以降)の夏季大学のテーマ
第55回 2021年8月21・22日 海洋と日本の気象・気候~観測から予測まで~
第54回 2020年8月22・23日 雲の科学
第53回 2019年8月3・4日 降雪・積雪予測と雪氷防災の最前線
第52回 2018年8月4・5日 浸水・洪水予測と気象防災の最前線
第51回 2017年7月29・30日 新世代の衛星が切り開く新しい気象の世界
第50回 2016年7月30・31日 エルニーニョ現象と異常気象
第49回 2015年8月1・2日 地球温暖化入門
第48回 2014年8月2・3日 ザ・竜巻
第47回 2013年7月27・28日 台風学の最前線
第46回 2012年8月5・6日 北極温暖化と異常気象
第45回 2011年8月6・7日 気象観測技術の最前線(2)
第44回 2010年8月7・8日 気象観測技術の最前線
第43回 2009年8月1・2日 顕著現象の解析
第42回 2008年8月2・3日 気象のシミュレーションⅢ
第41回 2007年8月4・5日 気象のシミュレーションⅡ
第40回 2006年8月5・6日 気象のシミュレーション
過去の夏季大学 開催一覧(PDF)