研究会「長期予報と大気大循環」(2017年11月28日開催)
今年のテーマは「熱帯・中高緯度の季節内変動 ~現象のメカニズムと予測可能性~」としました.2週間から2か月間程度のいわゆる季節内の時間スケールの現象は,短期予報・週間予報のような大気の初期状態に基づく予測も,季節予報のような主に海洋の状態に基づく予測も困難であることから,その予測可能性が低く,昔から「予測可能性の砂漠(predictability desert)」と呼ばれてきました.しかし,近年では,季節内時間スケールの諸現象のメカニズムの理解と予測可能性に関する研究が進展してきています. 今回の会合では,熱帯の季節内変動のほか,熱帯と中・高緯度の相互作用,テレコネクション,ブロッキング現象,成層圏突然昇温など,熱帯から中・高緯度にみられる季節内時間スケールの様々な現象とその予測可能性について話題提供を行っていただきます。幅広い視点からの活発な議論を期待します. .
記
日時 :2017年11月28日(火)14時00分~17時30分
場所 :気象庁3号庁舎2階 3023会議室
テーマ:熱帯・中高緯度の季節内変動 ~現象のメカニズムと予測可能性~
プログラム(pdf)
座長:小林 ちあき(気象研究所気候研究部)
1. 冬季成層圏極渦に内在する予測障壁~2009・2010年の成層圏突然昇温の予測可能性比較~
拡張要旨(pdf)
※向川 均1・野口 峻佑2・黒田 友二2・水田 亮2・小寺 邦彦3
(1京都大学防災研究所,2気象研究所,3名古屋大学宇宙地球環境研究所)
2. 夏季オーストラリア北部の降水量変動に伴う冬季東アジアへの遠隔影響
拡張要旨(pdf)
※関澤 偲温(東京大学 先端科学技術研究センター)
3. 境界条件を与えた全球大気モデルによるアンサンブル実験を用いた日本付近の季節予報可能性調査
拡張要旨(pdf)
※千葉 丈太郎・木本 昌秀 (東京大学 大気海洋研究所)
~ 休憩 ~
座長:久保 勇太郎(気象庁気候情報課)
4. 気象庁全球アンサンブル予報システムによるMJOの予測精度と再現性
拡張要旨(pdf)
※久保 勇太郎 (気象庁気候情報課)
5. MJO東方伝播に対する浅い対流の役割
拡張要旨(pdf)
※廣田 渚郎 (国立環境研究所)
6. NICAM海洋結合版(NICOCO)によるMJO予測性能の現状および1998年5月のエルニーニョの急激な終息イベントにおけるMJOの役割
拡張要旨(pdf)
※宮川 知己 (東京大学 大気海洋研究所)
7. NICAMを用いた北半球夏期季節内変動(BSISO)と台風発生の予測
拡張要旨(pdf)
※中野 満寿男 (海洋研究開発機構)