日本気象学会は、最新の気象学の普及を目指して、毎年夏季大学を開催しています。 これまでは、高校の理科の先生方を想定したレベルとしておりましたが、今回は、 高校で物理を履修した大学初年次程度のレベルといたします。
今年のテーマは「気象のシミュレーション」です。コンピュータ演算能力の向上、 大気のリモート観測技術やデータ同化技術の発展などにより、気象(あるいは地球流体)の シミュレーション技術は飛躍的に発展し、現在の天気予報の基盤技術のひとつとなっています。 数値予報の黎明期から今日までの数値予報の発展の歴史、および最先端の気象シミュレーションの講義 を通じて気象シミュレーションの意義や役割を明らかにし、さらに、簡単な計算機実験によって 数値シミュレーションの基礎を学んでいただきたいと考えています。
テーマ: | 気象のシミュレーション |
日 時: | 2006年8月5日(土)〜6日(日) |
会 場: | 気象庁講堂 (東京都千代田区大手町1-3-4) (会場の地図) |
対 象: | 高校の物理で履修する程度の知識をお持ちの方 (講義では簡単な微分方程式を使用します) |
募集人員: | 50名程度 |
受講料: | 一般 5,000円、学会員・学生 4,500円(消費税含む) |
講義内容と時間割 | ||
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8月5日(土) | ||
10:00 〜 11:30 |
気象シミュレーションの意義と役割 大気科学研究における高性能のコンピュータを用いた数値シミュレーション技術の
全体像をレビューした後、現業的な天気予報などの実用分野および気象や気候などの研究分野に果たす
意義と役割などについて講演する。
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時岡 達志 (地球フロンティア研究センター) |
13:00 〜 14:30 |
数値予報の歴史と現状、課題 1950年代末に遡るわが国の数値予報の歴史的事実および近年の発展経過を、
それまでの経験などに基く天気予報と対比させながら回顧した後、現在の数値予報に基礎をおいた
天気予報の持つ問題点や今後の課題などについて講演する。
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増田 善信 (元気象庁) |
15:00 〜 16:30 |
実際の数値予報:観測から予報まで 気象庁では、2006年3月にスーパーコンピュータの更新を行い第8世代数値解析予報システム
の運用を開始した。このシステムの概要を紹介すると共に、主にメソ数値予報システムに着目し観測から予報まで
の流れについて最新の開発成果を交えて解説する。
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本田 有機 (気象庁数値予報課) |
8月6日(日) | ||
10:00 〜 11:30 |
地球シミュレータを用いた顕著現象のシミュレーション研究 この講演では、地球シミュレータ上の全球大気大循環モデルAFESの概要について述べた後、
大気顕著現象のシミュレーションの事例をいくつか紹介し、今後の大気シミュレーションについて展望する。
| 榎本 剛 (地球シミュレータセンター) |
13:00 〜 16:30 |
数値計算の基礎―簡単なモデルを例にしたシミュレーションの手順 気象現象のシミュレーションを行うためには、対象とする現象を支配する物理法則を表現する
偏微分方程式(モデル方程式という)を解かなければならない。モデル方程式は一般的には解析的に(手計算)解く
ことができないので、計算機を使って数値的に解かざるを得ない。
本講義では簡単なモデル方程式を例にして、その数値化の方法や数値化によって得られる 代数方程式を如何に解くかの具体的手順をプログラム例とともに学ぶ。 |
大関 誠 (気象研究所) |
主 催: | 日本気象学会 |
後 援: | 気象庁、日本地学教育学会、(財)気象業務支援センター、日本気象予報士会 |