2005年度春季大会の告示
1. 期日: 2005年5月15日(日)〜18日(水)
2. 会場: 東京大学本郷キャンパス(東京都文京区本郷7-3-1)
3. 研究発表
一般発表は口頭及びポスターによる(下記「一般発表セッションの方法」参照).その他に,7件の専門分科会を実施する.専門分科会では十分な時間をかけた口頭発表を行う.専門分科会のテーマは公募され,講演企画委員会の審議によって決定された(下記「講演申込要領」参照).
講演申込方法については「講演申込要領」(下記)参照.
4. 大会日程
大会は以下のような日程で行われる予定である.
第1日(5月15日) 午前:口頭,ポスター
午後:公開シンポジウム
第2日(5月16日) 午前:口頭,ポスター
午後:専門分科会
第3日(5月17日) 午前:口頭,ポスター
午後:総会,受賞記念講演,懇親会
第4日(5月18日) 午前:口頭,ポスター
午後:専門分科会
5. シンポジウム
大会第1日(5月15日)に,地球環境問題委員会との共催による公開シンポジウムとして開催予定.テーマは「地球環境の進化と気候変動」.
6. 大会参加費,懇親会費
郵便振替による前納または当日受付による. 大会当日は受付が混雑しますので,極力前納するようお願いします.
金額は以下の通り.
大会参加費:
一般会員 学生会員 非会員
前納 3,000円 2,000円 ------
当日払 4,000円 3,000円 4,000円
ただし,自費で第1日(5月15日)にだけ参加する方については ,会員・非会員とも2,000円とします(この場合,前納はできません.当日受付にてお支払い下さい).公開シンポジウムのみ参加の場合は無料です.
懇親会費:
一般会員 学生会員 非会員
前納 4,500円 3,500円 ------
当日払 5,500円 4,500円 5,500円
なお懇親会は大会第3日(5月17日)夕刻に開催予定.
講演申込要領
1. 発表の種類
(1) 一般発表(口頭及びポスター)と専門分科会における口頭発表の2種類となる.
(2) 専門分科会へ申し込まれた講演は,コンビーナーの判断によって,専門分科会への採否が決定される.専門分科会に採用されなかった講演は,一般発表へ変更となる.ただし,申込みの時点で申し出れば(申込用紙に選択欄あり),不採用時に講演をキャンセルすることもできる.
(3) 一般発表の講演方法(口頭/ポスター)については講演申込時に選択できるが,申し込み数や会場の都合により必ずしも希望通りになるという保証はない.
(4)講演申込用紙に講演種目の記載がない場合は,講演企画委員会で適切な種目に振り分ける.
(5) 大会1日目(5月15日)のポスター発表を希望する場合は,プログラム編成時に可能な限り対応しますので,講演申込用紙の余白にその旨を記入して下さい.
2. 発表件数の制限
一般発表については,1講演者について異なるテーマのもの2件以内とする. この制限に抵触する申込があった場合や専門分科会からの種目変更によって制限に抵触することになった場合には,講演企画委員会が適切に処置する.
3. 申込方法
(1) 一般発表への申込
・「天気」12月号末の申込用紙に必要事項を記入し,予稿集原稿を添えて講演企画委員会に送付する.
・申込期限: 2005年2月22日(火)必着
・ 送付先:
〒305-0052 つくば市長峰1-1
気象研究所予報研究部内
講演企画委員会(永戸久喜)
(2) 専門分科会への申込
・本号末の申込用紙に必要事項を記入し,予稿集原稿を添えて講演企画委員会に,また両者のコピーを各分科会の受付に送付する(送付先は下記を参照).
・申込期限: 2005年2月15日(火)必着
・ 原本送付先:
〒305-0052 つくば市長峰1-1
気象研究所予報研究部内
講演企画委員会(永戸久喜)
・ コピー送付先:
1)日本における再解析: 〜作る立場から、利用する立場から〜
〒305-0052 つくば市長峰1-1
気象研究所気候研究部
山崎信雄
2)雪氷圏と気候
〒237-0061 横須賀市夏島町2−15
(独)海洋研究開発機構
地球環境観測研究センタ−
水循環観測研究プログラム
大畑哲夫
3)複雑多様な陸面諸過程の全体像の把握はどこまで可能か?その方策を模索する。
本分科会では一般講演の受付は行われません
4)降水量の推定原理と降水量データの利用
〒305-0052 つくば市長峰1-1
気象研究所台風研究部
中澤哲夫
5)顕著現象の予測可能性
〒236-0001 神奈川県横浜市金沢区昭和町3173-25
(独)海洋研究開発機構
地球シミュレータセンター
榎本 剛
6)2004年の台風はなぜ異常だったか?
〒305-0052 つくば市長峰1-1
気象研究所台風研究部
上野 充
7)戦略「メソ対流系」の到達点とこれから
〒305-0052 つくば市長峰1-1
気象研究所予報研究部
吉崎正憲
4. その他
(1) 最近,講演申込用紙に記入されたタイトルや著者名が予稿集原稿のものと異なる申込が多く,講演予稿集編集作業に支障をきたしています.講演申込用紙記入の際には上記の点に十分にご注意下さい.
(2) 申込まれた予稿の内容が,(ア)気象学とは全く無関係である,(イ)極めて非合理的・非論理的である,(ウ)他者を誹謗中傷する部分がある,等の理由により,講演を認めることが適当でないと講演企画委員会が判断した場合には,講演を認めないことがあります.
(3)大会プログラムは「天気」4月号及び日本気象学会のホームページ(http://www.metsoc.or.jp/)に掲載されます.ホームページへの掲載は締切から約2週間後までに行われる予定ですので,講演申込者は申込が受理されているかどうかなどの確認に利用して下さい.
一般発表セッションの概要
1. 口頭発表は,全て同一の講演時間とする.1件あたりの講演時間は,口頭発表に使用可能な時間の総計を申込件数で割ったものを目安として講演企画委員会が決定する.決定した講演時間は大会プログラムに記載する.
2. ポスター発表の時間は1時間程度とする.ポスター発表中は一般口頭発表や専門分科会は行われない.
3. ポスターの掲示・撤去は,講演者自身が行う. 掲示にあたって鋲・ピンが使用できるが,糊・テープ等は使用できない.必要な鋲・ピンは各自が用意すること.
4. ポスターには講演題目・講演者名を明記すること.
5. 掲示板は縦150cm×横90cm程度である. なおポスターは大きな紙1枚に書く必要はなく,小さい紙に分けて書いたものを当日並べても良い.
講演における機器の使用について
1.口頭発表(一般口頭発表および専門分科会)については,いずれもPCプロジェクター及びOHP(一部の会場ではOHPの代わりに普通紙書画カメラ)が使用できるが,それ以外の機器は使用できない.
2.PCプロジェクターとOHPのどちらを使用するかについては,講演申込時に届け出ること(講演申込用紙に記入欄を設けてある).今大会ではPCプロジェクターを口頭発表における標準機器とし,講演申込時に届けがない場合はPCプロジェクターを用いた発表とみなす.このため,OHPの使用を希望する場合は講演申込用紙の記入漏れの無いように十分に注意すること
3.PCプロジェクターを使用する場合は,以下の点を予め了承すること.
・パソコンは各自で準備すること.会場にはプロジェクターおよび接続ケーブルのみを準備する.
・セッション開始前の休憩時間などを利用して,必ず接続の確認を行っておくこと.接続に不安がある場合は,その際に会場係に申し出ること.
・突然の故障や接続の際のトラブルが発生した場合,座長の判断で,発表順を繰り下げたりOHPによる発表に切り替えさせることがある.このため,最低限の発表が出来るだけのOHPシートも用意しておくこと.
4.ポスター会場での機器の使用を希望する場合は,機器の名称およびその使用方法を,講演申込用紙の欄外に具体的に記入すること.ただし会場の都合により,その要望が全て受け入れられる保証はない.
5.ポスター発表への申し込みをする場合も,プログラム編成上の都合により口頭発表に変更になった場合を想定して,口頭発表時の使用機器の欄への記入をお願いします.
専門分科会の概要紹介
2005年度春季大会では下記の通り,7件の専門分科会が開かれます.
1.テーマ:日本における再解析: 〜作る立場から、利用する立場から〜
趣旨:再解析は,過去の期間を対象に,最新のデータ同化システムを使用して,気候研究・季節予報用の均質・高品質の気候データを作成するために実施する.既にECMWFとNCEPが長期再解析を実施しているが,日本でも,気象庁と電力中央研究所が共同で長期再解析JRA-25(http://www.jreap.org)を実施中で,既に一部プロダクトは公開・利用可能である.他に,日本では1998年を対象としたGAME再解析が実施され,現在,RR2002共生プロジェクトの大気海洋結合同化が進行中である.このセッションでは,日本で行なわれている上記の再解析に関連して,
* プロジェクトのねらいや進行状況の紹介
* 再解析の技術的問題や再解析データの特質・注意点
* 公開されているプロダクトの比較・評価やそれを用いた研究
* 新しい観点からの再解析データの利用の構想
などについての講演を募集(一部は依頼)する.
再解析の作成者と利用者の間の建設的な相互作用の活発化を期待したい.
コンビーナー:山崎信雄(気象研究所),筒井純一(電力中央研究所),小出 寛(気象庁),増田耕一,望月 崇(地球環境フロンティア研究センター)
2. テーマ:雪氷圏と気候
趣旨: 気候システムの一因子として雪氷圏が重要な役割を果たしてきていることは一般的に知られている.そして,温暖化過程で雪氷がどのように変化し,それが気候システム全体にフィードバックするかについて関心が集まっているにもかかわらず,十分な精度で測定され,現象が理解されているとは言いがたい.ちょうど,国際的な枠組みでWCRP-CliC「気候と雪氷圏」計画が推進され,組織的研究が開始しようとして時期に,国内のコミュニティーとしても,このテーマを概観し,課題を抽出し問題点を明らかにすることが重要ではないかと考え,企画した.一部レビューを考えているが,以下のテーマに沿った発表を募集する.
(1) 積雪,海氷,氷床と大気との相互作用
(2) 雪氷域における陸面過程
(3) 水・エネルギー循環における雪氷の役割
(4) GCMにおける雪氷表現の現状
(5) 雪氷変動の実態
(6) 雪氷域のリモートセンシング
コンビーナー:大畑哲夫(地球環境観測研究センター),山崎孝治(北海道大学大学院地球環境科学研究科),共催:極域・寒冷域研究連絡会
3.テーマ:複雑多様な陸面諸過程の全体像の把握はどこまで可能か?その方策を模索する.
趣旨: 地球温暖化を始めとする地球環境問題への関心の高まりに伴い,大気―陸面相互作用のメカニズムの解明とその相互作用による地球環境変動の将来予測に対する社会的要請が強まっている.陸面における諸過程は,その物理学的側面と生態学的側面の共存により,サブグリッドスケールから大陸スケールまでの時間的・空間的にさまざまな規模の現象が混在しており複雑多様である.その不均一性の高さが,陸面過程の理解の難しさの大きな原因の一つとなっている.近年,観測技術の進化とモデル技術の進化(計算機能力の向上)により,陸面における現象を多角的に捕らえ,その一般性を見出し,陸面諸過程の全体像を把握しようとする努力が盛んに行われ始めている.本専門分科会においては,6名の招待講演者を招き,間接測定(衛星観測,航空機観測),直接測定(プロットスケール観測網の展開,グランドトゥルースデータの取得),およびモデリング(パラメタリゼーションアルゴリズムの開発・改良)の各分野における現状と今後の課題を紹介していただき,観測による現象把握と観測とモデルの融合,およびそれらによるスケール間ギャップの解消を通して,陸面諸過程の真の全体像を把握するための方策について議論を深めたいと考える.なお,本分科会においては,総合討論を重視する観点から,講演は招待講演のみとする.
コンビーナー: 馬淵和雄(気象研究所),渡辺 力(森林総合研究所),桑形恒男(農業環境技術研究所),西田顕郎(筑波大学)
4.テーマ:降水量の推定原理と降水量データの利用
趣旨: 降水量の推定は,地上レーダーのみならず,TRMMやAMSR-Eなどのセンサーにより宇宙からも行われてきている.また,気象庁ではレーダーアメダス合成図も作成されている.さらに,世界的には,GPCPやCMAPなど,多くの「降水量格子点データ」が入手可能となっている.しかし,それらのデータについて,その推定原理や精度などについては,必ずしも十分に理解されているとは言えない状況にあるのではないか.そこで,これらのデータを利用・作成している人に,一同に会してもらい,データの特性,長所,問題点,今後の改善予定などについて話し合う場としたい.さらには,これらの推定データに対して,水管理,水文学,海洋学,農業,電力,地方自治体など,多くのユーザーから,降水量データ利用の現状,問題点,データへの要望などを交流できる場としたい.
コンビーナー:中澤哲夫(気象研究所)
5.テーマ:顕著現象の予測可能性
趣旨: WMOが2003年5月から10年計画で実施している,観測システム研究および予測可能性実験計画THORPEXは,1日から2週間先までの社会的・経済的に影響を与える顕著現象の予報改善を目指している.台風や集中豪雨,豪雪など,我が国における顕著現象は,国民の生活と安全に大きな影響を与えている.そこで,本分科会では,「予測可能性」をキーワードとして,1日から2週間先までの顕著現象の予報に関連するさまざまな内容について議論を行う.データ同化や衛星データの利用,アンサンブル予報などの現状や問題点から,顕著現象の局地的な構造の解析や大規模場・総観場との関連に関する研究,さらには,熱帯季節内変動や中緯度のロスビー波束伝搬などの大規模場が顕著現象を引き起こすメカニズムなどまで,幅広くカバーしたい.
コンビーナー:大淵 済(地球シミュレータセンター),中澤哲夫(気象研究所),余田成男(京都大学理学部),榎本 剛(地球シミュレータセンター)
6.テーマ:2004年の台風はなぜ異常だったか?
趣旨: 2004年,6月に二つの台風が四国に上陸したのをはじめとして10月20日までに上陸数10個(台風第4,6,10,11,15,16,18,21,22,23 号)と日本列島は記録的な数の台風の襲来を受け,強風や大雨,高潮などによる大きな災害が全国各地で相次いで発生した.2004年は上陸数が多かっただけでなく,台風が強い勢力のまま日本列島に接近し上陸したというのが1つの特徴でもあった.本分科会では,そういった特異な台風シーズンを振り返り,台風の発達機構,台風が発生・移動した環境場や上陸前後の台風の構造変化,台風に伴うメソ現象や高潮,台風によって引き起こされた災害等について,その特徴や予測可能性など様々な観点から議論を行い,2004年台風シーズンの特異性について認識を深める.
コンビーナー:上野 充(気象研究所),萬納寺信崇(気象庁予報課太平洋台風センター)
7.テーマ:戦略「メソ対流系」の到達点とこれから
趣旨:1998年から5年間にわたって科学技術振興機構・戦略的創造研究推進事業「メソ対流系の構造と発生・発達のメカニズムの解明」(戦略「メソ対流系」と略記)において豪雨・豪雪に関する研究を推進し,その結果,複数の豪雨・豪雪の事例を解析することにより,メソ対流系の機構がかなりはっきりと分かってきた.また雲解像非静力学モデルを用いることでそれらが数時間〜1日のリードタイムで予測できるまでになった.この専門分科会では,戦略「メソ対流系」の到達点をレビューして今後の発展の方向を眺めてみるつもりである.そのために講演者の時間はなるべく多く取って十分に議論を尽くしたいと考えているので,招待講演主体となる予定である.
コンビーナー:吉崎正憲(気象研究所)
講演予稿集原稿の書き方
大会発表を申し込む会員は,以下の要領で予稿集原稿を作成し,「天気」12号末の申込用紙とともに講演企画委員会へ送付して下さい.
1.原稿枚数:1件1枚
2.用紙:A4判の白紙を使用する.その他の規格の用紙を使用しないこと.
3.記入方法:A4用紙に直接出力するか,別紙に作成した文書・図表を用紙に糊付けする.原稿はダイレクト製版される.
4.図および表:写真や図表には折り目が入らないようにする.階調のある写真や図は,階調度が落ちる場合がある.
5.インク:ワードプロセッサ,手書きの場合とも,墨または濃い黒色インクを使う.黒以外の色のインクや鉛筆を使用しないこと.
6.配置(付図参照):記載範囲は縦250mm×横170mm以内とし,上部には20mmの余白をとる.最上段に標題,その下に著者と所属を書き,本文をその下につける.著者が複数の場合には講演者の左肩に*をつける.標題から本文までの間隔は20〜25mmとする.本文はなるべく2段組(左半分→右半分)にする.
7.著作権:予稿集に掲載された文章および図表の著作権は(社)日本気象学会に帰属する.
8.送付:予稿集原稿を細かくおりたたまないこと(2つ折りは可).送付先・送付期限は「講演申込要領」参照.
非会員の大会講演について
気象学会会員でない方は原則として大会講演を行うことは出来ません.しかしながら,短期滞在の外国人や他分野の研究者が気象学会において講演を行う場合を考慮して,講演企画委員会では以下の規定を満たすものに限って非会員が大会講演を行うことを認めています.
1. 共著者の中に会員が含まれていれば,非会員の講演を認める.
2. 上記規定を明確にするために,講演申込用紙に講演者の会員番号(非会員は会員である共著者の会員番号)の記入を義務づける.
3. ただし専門分科会に関しては,各コンビーナーの判断にゆだねる.
なお,講演企画委員会としては,継続的に大会発表を行いたい人には会員になって頂くよう強く望みます.
研究会活動への支援について
講演企画委員会では,大会期間中またはその直前・直後に会員が自主的に運営する研究会活動に対し,一般の会員が自由に参加できることを条件として,可能な支援をします. 具体的には,大会プログラムへの掲載などが考えられます. 支援を希望する方は,右記の事項を明記の上,講演企画委員会へ申し込んで下さい.
申込先・申込期限: 大会の一般講演と同じ
記入事項: 1. 会の名称とテーマ
2. 代表者の連絡先
3. 希望日時・開催場所
4. 予想参加人数
5. 希望する支援内容
お知らせ
大会に先立ち「第1回日中韓気象学会合同国際シンポジウム −東アジアの大気科学の現状と将来−」が,大会直前の5月13日(金)・14日(土)に東京大学本郷キャンパスで開催される予定です.詳細については後日続報します.