第28期第17回常任理事会議事録
日 時
1996年4月19日 13時30分〜17時30分
場 所
気象庁内日本気象学会事務室
出席者
松野,大西,小倉,斉藤,里村,竹内,田中,永田,中村 以上9名
議 事
1.第28期第16回常任理事会議事録の確認
原案どおり承認.
2.各委員会からの報告及び審議
庶務
- 転載許可1件(天気)
- 「地球環境科学関連学会協議会」設立に向けての気象学会からの呼びかけに対し,その後,農業気象学会,雪氷学会,海洋学会,地球電磁気・地球惑星圏学会,第四紀学会,生態学会から参加するとの回答があり,16学会中12学会から回答が来た.第1回準備会を5月中旬ころにもてるよう,担当の木田理事と調整する.これに関連して日本化学会に対しても呼びかけてはどうかとの提案があり,担当理事で対処することとした.
- 平成8年度文部省科研費補助金「研究成果公開(B)」に気象学会から北海道,九州,沖縄支部が申請していた件につき,文部省から九州,沖縄が採択されそうとの内報があった.
会計
- 監査を4月15日に受けた.特段の意見は出なかった.
- 96年度の収支決算状況を報告.会費収入は対予算比102.5%の達成率.研究ノートの発行が1号だけで収支とも達成率は低かった.天気と気象集誌は特別号・特集号の発行があり,収入・支出とも予算を上回った.全体としてはほぼ予算どおりの収支状況で,273万円程度の黒字決算となった.この結果について常任理事会として討議し,受託業務の管理費収入300万円を含めての黒字であるので手放しで楽観できる決算状況ではないこと,また,事務局経費まで含めた部門別収支で天気と集誌が収益事業として赤字になっているため,この傾向が続けば別刷り代の値上げを検討する必要があるなどの意見が出た.
天気
- 4月号の内容及び5,6,7月号の予定を報告.
- 95年度の天気編集費の決算を報告.
気象集誌
- 4月17日に編集委員会開催.6月号に9編掲載予定で編集作業中.
- 最近,編集委員会に出席できずに書面参加する委員が増えている.
- 外国からの投稿で,受理された直後に投稿料の免除を申請するケースが数件あり,この傾向は一部の国に集中してみられる.投稿料免除はあくまで例外措置であり,年間数件を超えると予算上の問題が生じる.どのように対処すればよいかについては難しい問題であるが,何らかの対処方針が必要.
研究ノート
- 96年度の印刷業者の入札を4月上旬に行い,前年度と同じ日本印刷が落札した.
- 「気象測器」,「気象力学の過去・現在・未来」,「マイクロ波放射計」は校正作業中.「気象教育」は96年度の業者に原稿が渡った.「南極氷床と気候」はまだ一部図表に不備があるが,6月中には発行したい.
- 「気象教育」について教育関係者には割引料金で頒布したいとの要望が編集担当からあった件につき常任理事会として検討.「教育関係者」の申し込み窓口を設けて割り引きを行うことにした.
講演企画
- 3月28日に開催された臨時の委員会の結果が以下のように報告された.
- 大会講演の改革については,秋季大会は従来どおりとし,春季大会を専門分科会とポスターのみの発表とする.公募により分科会テーマとコンビーナーを決定し,プログラム編成と運営を任せる.この方式の最初の試みは97年春のつくば大会で実施する.これについて常任理事会として了承.分科会の時間割り振り,ポスターと分科会の関係,「その他」の枠が必要かどうかなどについては現時点では確定しがたいので,講演申し込みの状況をみて最終調整することで了承された.これについての会員への説明会を96年春季大会3日目に開催する.
- 大会講演について会員と非会員の間に差をつけるため,委員会からは発表者から「登録料(会員・非会員)」を徴収して参加費は無料にすることが提案された.これについて常任理事会として協議.参加費を無料にすると,登録料(発表料)が現在の参加費に比べて相当に高くなり,発表者に負担になるとの意見が多数であった.これに代わるものとして,参加費の形態は現行と同じとし,事前払いと当日払いの現行500円差を1000円差とし,会員は天気折り込みの払い込み用紙で事前に払い,非会員は当日払いで割高の参加費を支払うことで差をつける案が了承された.会員で当日払いの人は,会員としての特典を自ら放棄したと解釈する.参加費を払わずに参加する人があるこある件とは別の問題ではあること,また現在の徴収状況に大きな問題はないとの認識も示された.
各賞
- Tyler Prize の推薦依頼が同賞理事会から気象学会に来た件につき常任理事会として協議.権威のある賞であることから積極的に対応することとした.ただし,推薦締め切りが96年9月16日であるため,第29期の理事会での処理に委ねることとする.
国際学術交流
- 10名から11件の応募があった.4月12日に委員会を開き当基金の目的である「若手研究者の研究集会参加援助」と照らして審査した結果,このうち6名に対して15万〜10万円の援助をそれぞれ行うことを決定した.
パソコン通信
- 3月のアクセス数は406回(学会員の登録会員272回,非学会員の登録会員78回,ゲスト56回)であった.
3.会員の新規加入等について
24名の通常会員の入会を承認.通常会員5名と3団体の退会を報告.
4.1996年度奨励金受領候補者の推薦について
3月21日に推薦委員会が開催され,推薦のあった6名について審査した結果,研究環境や調査・研究の内容などから判断して,このうち2名を理事長に推薦することとなった.常任理事会として報告を了承し,全理事による可否投票にかけることにする.
5.ネットワークを意識した著作権について
すでに印刷された論文を著者が自分のホームページ上で開示することの可否について里村理事から問題提起があった.常任理事会として協議し,気象学会に著作権があることを明示すれば問題がないとの結論に達した.これに関連して,気象集誌に投稿中の論文のドラフトをホームページで公開することの可否についても議論になり,最近,アメリカ気象学会が決定した著作権についての政策も参考にして協議.論文が受理されるまでの間は,投稿中のものであることを明示して開示することを許可することになると思われるが,詳細の検討は気象集誌の編集委員会に任せることとする.
6.第5回理事会への提出議題について
前回理事会(95年10月,大阪)以後に常任理事会が実施してきた活動の状況について各担当理事から報告することが了承された.協議事項としては,大会運営の見直し,学会賞の表彰者数,表彰制度に関わる規定類の整備,「日本における気象研究に関する現状と将来像」の研究会設置とすることが了承された.
7.1996年度総会議題について
総会議題のうち,『天気』4月号で公示する第29期役員選任に関するものを一部修正のうえ常任理事会として了承.
1995年度事業報告,1996年度事業計画案についても一部修正.5月の理事会までに完全なものにする.1996年度予算案も若干の係数整理が入ることを含めて承認された.
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