地球温暖化問題は、今や温室効果ガスのみならず、エアロゾルや土地利用など多岐にわたって人間活動との関係が検討されるようになってきました。また、健康被害や植生にも影響するローカルな大気汚染とグローバルな気候変動を結びつけた研究など、エアロゾルの研究は現在進行形で新たな局面を迎えています。 エアロゾルに関する研究手法は、近年、格段の進歩が見られますが、その背景には地上観測、衛星観測、大気輸送モデルの進展と、その融合があります。また、研究分野から見ても、エアロゾルの物理・化学に関する個別の研究が協力して実施されるようになりました。 以上のような状況の下に、我が国のエアロゾル研究とそれを取り巻く研究分野の現状を知っていただきたく、本研究ノートを企画した次第です。研究ノートのシリーズとしてエアロゾルを特集したものは、「エアロゾル特集号−基礎編−」(第142号、1981年)と「エアロゾル研究−応用編−」(第146号、1983年)がありますが、その後20年余りの間におけるエアロゾル研究の進展に触れていただければ幸いです。
【目次】 第1章 エアロゾルの気候影響と研究の課題 第2章 有機エアロゾルの組成・分布・生成 第3章 人為起源炭素性エアロゾルの生成過程」 第4章 奄美大島の春季における大気エアロゾルの化学組成と光学特性 第5章 エアロゾルなどの広域動態の観測 第6章 大気放射観測から見るエアロゾル 第7章 アクティブセンシングで見るエアロゾルと雲 第8章 衛星観測から見る雲 第9章 雲微物理のモデリング 第10章 エアロゾルの広域動態と気候影響のモデリング 第11章 人間活動とエアロゾル」早坂忠裕
【編集】中島 映至, 早坂 忠裕
184ページ,2008年7月1日発行
【価格】会員:2,800円,会員外:4,100円
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