日本気象学会第31期第2回常任理事会議事録
日時
2000年9月18日(月)13時30分〜16時45分
会場
日本気象学会事務局(気象庁8階)
出席者
廣田、二宮、勝山、澤井、住、関口、田中(博)、藤部、萬納寺、山岸、以上10名
その他の出席者
舘(事務局)
議事
- 第31期第1回常任理事会議事録の確認
気象学会から大学評価委員会専門委員及び評価委員候補者を推薦した。
- 各委員会報告
庶務
- 転載許可 2件(13)
- 「天気」「気象集誌」に掲載された図の利用許可
- 天気に掲載された図の利用(8)
- 天気 31巻 P. 46 第1図、P.750、751 第3、4図
- 天気 37巻 P.840 第8図、P.841 第10図
- 天気 42巻 P.814 第2図
- 天気 46巻 P.22 第1図、P.284 第6図
- 気象集誌 に掲載された図 (3)
- 気象集誌 第66巻 P.492 第2図、
- 気象集誌 第68巻 P.634 第9図
- 気象集誌 第75巻 P.515 第2図
これらの図を東京大学出版会刊行の「地表面に近い大気の科学」(近藤純正著)への転載
- 「気象集誌」の論文の転載(2)
- 気象集誌 第76巻 P.799-815、気象集誌 第77巻 P.887-906の論文を「EORC Bulletin:Collected Papers and Abstracts」への転載
- 後援名義等使用依頼受付 1件
- 名義:第8回 流れのモデル化と乱流測定に関する国際シンポジウム
- 主催:国際水理学会・財団法人 電力中央研究所
- 期日:平成13年12月4(火)〜6日(木)
- 場所:日本大学本部会館(千代田区九段南4-8-24)
- 名義:後援
- 「風に関するシンポジウム」について
「風に関するシンポジウム」は気象学会など11の学会の共催で行われているが、当シンポジウムを廃止したいという提案が、今年の担当学会である土木学会からなされた。その理由は、近年参加者が減少してきたこと、風工学シンポジウムが活発に活動していること、などによりその意義が薄れてきたことである。これに対し、次のような意見が出された。風工学シンポジウムは発表に対して査読があり有料であることに対し、風に関するシンポジウムは査読がなく無料なので気軽に発表できるという特徴があって、風工学シンポジウムがあるから、という理由には納得できない。しかし、当シンポジウムは参加者が少なく、また意志決定機関がなくたらい回し的に行われているため、存在意義が小さい。これらの意見に基づき、気象学会は廃止の提案に賛同することとした。
- 第18期日本学術会議の補欠の会員の決定(通知)
田中浩会員が学術会議の補欠の会員となったことが通知された。
- 「日本学術会議 第18期社会環境工学研究連絡委員会 水資源専門委員会」の推薦依頼
現在委員を務めている植田洋匡会員を推薦することとした。
- 「女性科学者の環境改善の具体的措置について」(要望)及び「日本学術会議における男女共同参画の推進について」(声明)
- 2003年IUGG札幌大会準備活動支援のお願い
当面の活動のための資金援助のお願いが組織委員会からあった。今年度は40万円出すこととした。これは組織委員会が借用し、後に返却することになっている。尚、これまでには平成9, 10年に国際学術交流からの支出項目としてそれぞれ20万円出した。
- 第37回理工学における同位元素研究発表共催分担金(3千円)振込(7月27日)
- 日本気象学会第31期役員登記 平成12年7月27日完了
任期 平成12年7月1日から2年間
- 理事変更登記完了届および監事異動届を7月31日文部省(文部大臣)へ提出
- 第31期役員(7月4日)及び各委員会委員(8月10日)の所属長へ委嘱依頼文書提出
委員を委嘱するには委員の所属機関の長に学会が許可願いを出す。委員の任期は2年であるが、気象学会の細則・受賞者選定規定には委員の任期が明示されていない。このため機関によっては1年の任期しか認めない場合もあり、次年度は改めて委嘱の書類を出さねばならない。事務が繁雑なので、委員の任期が2年であることを細則に明記したい。来年5月の総会で議決を取れるように準備を進める。
- 平成12年度「日産学術研究助成」候補者を推薦
- 2000年度「朝日賞」候補者を推薦
- 第17回(平成12年度)「井上学術賞」候補者を推薦
- 会費請求:賛助会員(8月10日)、気象官署上半期分(9月1日)
- 気象研究ノート印刷業者(199号より):UAPに決まる
- 「新教養の気象学」刊行通知書
2刷のうち未製本200部を製本(残部0部) 9月4日
- ・日本気象学会 秋季大会・理事会会場
大会会場:京都テルサ
第31期第2回理事会:京都テルサ 第2会議室(西館3階)
会計
天気
- Vol.47 No.9(2000年9月号)の掲載記事とNo. 10, 11掲載予定記事の報告
気象集誌
- Vol.78 No.6の掲載内容の報告
- 気象集誌の100%英文化について(議題9参照)
講演企画
- 秋季大会のプログラム編成を行った。講演数は414件で、最高記録を更新。
- 大会の期間中・前後に研究会が行われることが多いが、場所の確保は建前上各研究会が行うことになっている。しかし実際には講演企画委員会から実行委員会にお願いして場所の確保をしてもらっている。今後は場所の確保を実行委員会に依頼するときには日時を早めに連絡することを研究会に周知する。大会期間中に行う各種委員会も同様。
- ベストポスター賞を4年間続けてきたが、業者に頼んでA0プリンタを使う例もあり、「苦労の後がうかがえる」という趣旨を評価することが困難になってきた。若い人のポスター発表の奨励に役立ったこともあり、ベストポスター賞は今回を最後とする。これに代わる新たな賞は設けない。
教育と普及
- 夏季大学「雲をつかむ」を8月下旬に行った。受講者は約100名。テキストの売れ行きが良くない。参加者のアンケートを整理している。
国際学術交流
- 後期の応募者は一人だけだった。大学院生が科研費で海外の研究集会に参加できるため、応募が少ない模様。このような状態が続くようなら国際学術交流の活動を見直す必要がある。
電子情報
- 2000年7, 8月の気象学会ホームページのアクセス状況(それぞれ80,570件、84,556件)。新規掲載の秋季大会プログラムが早くも上位に入ってきた。
- 秋季大会のプログラムの速報を気象学会メイリングリストに流したところ、誤字の指摘などが5-10件あった。うまく機能している。
用語
- 天気7月号に掲載した用語委員会からの報告に対して、学術用語集増訂版の編集に携わった田宮兵衛会員から、文部省の言う通りに作ると生産的でなく、学会独自に作ると文部省担当者に理解してもらうことが困難になる、という内容のコメントがあった。学会としては、対象を一般向け、やや専門家向け、専門家向けの3段階ぐらいに分けて用語の取捨選択を行った後に、文部省に提案する事にしたい。実際の作業に取りかかると予算が必要であるので、科研費の利用を検討する。尚、気象科学事典は文部省の用語集を意識しないで作成した。
- 会員の新規加入などについて
新入会員13名を承認、退会5名。9月11日現在、会員数4,697名、(内、通常会員4,163名)。
- 第31期評議員の選考について
評議員会は従来と多少異なった形で、学会運営に関する実質的な議論を行なうことを目標に人選を進めるよう理事長から提案があり、種々の立場からの議論が行われた。
- 名誉会員候補の選定について
29期の基本的考え方を踏襲して名誉会員を推薦する。現役は組織の運用に関与している人と定義する。候補者は名誉会員推薦委員会で決めるが、一般会員からの意見も聞く。外国人を選ぶ場合には日本の気象学会に対してどのような貢献があったかを選定基準にする。
関連して次のような意見があった。AMSのBulletinには各賞受賞者、名誉会員の一覧が年に1回まとめて掲載される。名誉会員には故人となった会員も含まれている。一方、「天気」名簿には故人となった名誉会員は載っていないし、受賞者は各賞の推薦募集毎に掲載されている。これでは学会全体の活動の歴史を見るには不便であるので、一括して掲載することが望ましい。
- 学術会議気象学研連委員の推薦について
高橋劭 学術会議気象学研連委員長が7名の大学関係者(木田秀次、中島映至、廣岡俊彦、藤吉康志、松田佳久、山崎剛、山内恭)を推薦した。気象庁長官を通じて2名の気象庁関係者(鬼頭昭雄、露木義)を推薦してもらった。合計9名を気象学研連委員として推薦した。
- 2003年IUGGについて
IUGG会長の河野長氏から、各連合(気象学会で言えばIAMAS)内でシンポジウムタイトル、コンビーナー、プログラム委員を議論してみるよう、要望があった事を廣田理事長が報告した。
- 韓国気象学会からの招待について
10月25-28日に行われる韓国気象学会秋季大会に日本気象学会の理事長が招待されたので、訪問することにした。廣田理事長は中層大気の研究の発展に関する講演を行う。また、中国の気象学会長も招待されており、日本、韓国、中国の気象学会理事長が集まって東アジアにおける気象学研究の国際協力について話し合う予定である。学会として共同して行う適切な課題があれば提案したい。
関連して次のような意見があった。韓国気象学会の人を気象集誌の編集委員に入れることも将来はあり得る。招待されたらこちらも招待することを念頭に置く。学会はシンポジウムを行ったり雑誌を出したりする組織で研究を行う機関とは別であるが、韓国では気象庁長官が気象学会会長も兼ねており、学会と研究機関との関係が違うことに注意が必要である。
- 真鍋淑郎評議員よりの提案/気象集誌の100%英文化について
気象集誌への科学研究費補助金が減額されているが、その理由として日本語の要旨が本文中にあるので100%英文誌として認められていないことが考えられる(関連記事「天気」Vol47, No.8第21回常任理事会議事録)。これに関して、真鍋評議員が和文要旨は「天気」に掲載する、さらに図1枚を許して内容紹介文を掲載するという提案をした。これに対し、次のような意見が出された。減額の本当の理由はわからないが、もし和文要旨が減額の原因でないとしても、日本語が(たとえ裏表紙でも)書いてあると読む気をなくす人は世界中にたくさんいて、集誌にとってマイナスである。集誌の和文要旨を「天気」に掲載する事は「天気」の読者にとってもメリットである。そこで、来年2月号から集誌の和文要旨を「天気」に掲載することにする。また、「天気」に要旨を掲載する投稿料は著者負担とする。英文だけ投稿する人の和文要旨を作成するのは担当編集委員であるが、その負担が大きすぎることも考慮して、図の掲載は次のステップにする。
関連して、英文Abstractの直訳のようなわかりにくい和文要旨は困る、「和文だけ読んで内容がわかる」という趣旨に添って要旨を書いてもらいたい、という意見があった。
- 第31期第2回理事会の議題について
評議員選考、名誉会員選考、集誌の和文要旨取り扱い(集誌の100%英文化)などを議題とする。
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