「自然を相手にした観測はそれ自体スリリングでドキドキ」
Q. 学部・大学院での専門
地球物理、大気科学/博士(環境科学、北海道大学)
Q. 過去の研究履歴(略歴など)
北海道大学 博士研究員: ゾンデ・衛星データの解析
名古屋大学 助教: ゾンデ・衛星データの解析
東北大学 博士研究員: 同位体分析と気球観測
日本南極地域観測隊 夏隊同行者: 気球観測
京都大学 博士研究員: ゾンデ・客観解析データの解析
Q. 現在の専門分野(仕事の内容)
気球を用いてゾンデと呼ばれる観測器を飛ばして、上空の気温、気圧、風向風速、水蒸気やオゾン濃度を計測しています。 そうして得られたゾンデ観測データに加え、航空機観測データ、衛星観測データ、全球客観解析データなどを合わせて解析することで、主に熱帯域における上部対流圏/下部成層圏の物質輸送過程について研究しています。
Q. この分野に入ったきっかけ
もともと自然が好きだったことに加えて科学者というものに漠然と憧れを持っていました。 それで学部3年生のときにいろいろ研究室訪問した中で、海外で気球を飛ばして観測している研究室がある事を知り「海外」「気球」「観測」あたりのキーワードに引き寄せられて入門、現在に至ります。
Q. 現在の研究(仕事)の魅力やおもしろさ
ロマンがあるというか、自然を相手にした観測はそれ自体スリリングでドキドキしますし、そのデータの中に未知の現象や法則が隠されているかもしれないと思うと解析もドキドキします。 また、先人の努力と英知を積み上げた科学という体系に僅かでも自分が貢献できる事、そしてそれが自分がこの世に生きる意義だと思えなくもない事、も僕にとっては魅力でしょうか。
Q. これまで研究(仕事)をしていて辛かったこと(解決策なども)
研究を進めていく中で今進んでいる方向が正しいのか間違っているのか、何ヶ月間も分からなくなる事があります。 誰も見た事がないものを見ようとするのが研究ですのでそれ自体は当たり前なのですが、そういう時に研究に対するモチベーションまで落ちてしまうと精神的に不安定になって絶望してしまいます。
そんな時は無理してでも学会等に出かけて「その研究面白いね〜」と言ってくれそうな人に沢山話しかけて、半ば誘導尋問的にでもそういう言葉を言ってもらいます。
Q. 研究(仕事)以外の楽しみや趣味
高校時代から油絵を嗜んでおりましてリフレッシュも兼ねて絵を描きます。絵を描きつつビールを嗜みます。 あと旅行というか旅というか、面白い人が集まっていそうなところに出かけてそこで出会ういろんな世界を持った人と話をするのが好きです。 多くの場合話をしながらビールを嗜みます。
Q. 進路選択を控えた大学生、大学院生へのメッセージ
ここを見ているあなたは気象あるいはもう少し広く自然科学分野を進路として研究業も視野に入れて考えているんだと思います。 大概のことは聞くと見るとは大違いで人それぞれなので、どんなことも自分でやってみないと分からないんですが、まずは積極的にいろんな先生や先輩に話を聞いてみましょう。 それで迷ったなら興味にまかせてやってみたらいいと思います。 最終的にどんな道を歩むにせよ大学院経験は少なくとも人生の無駄にはならないでしょう。 僕は現場で観測を実施するか中止するかの判断に迷った時は五分五分ならばやってみます。