「広い視点で自分の周りを見てみる」
Q. 学部・大学院での専門
大気科学/博士(環境科学・北海道大学)
気象/修士(地球環境・名古屋大学)
物理/学士(理学・金沢大学)
Q. 過去の研究履歴(略歴など)
名古屋大学:修士 冬季日本海・北陸の雪雲の研究
明星電気:ラジオゾンデの開発等々
北海道大学:博士 高精度温度計測用ラジオゾンデの研究
Q. 現在の専門分野(仕事の内容)
主にラジオゾンデに関連する開発やプロジェクトに携わっています。国内外の気象庁で使ってもらうラジオゾンデや関連する観測システムを開発したり、大学・研究機関が使用する“特殊”ゾンデを先生方と一緒に開発したりします。また、各国の気象庁を訪問して、自社製品をPRすると共に、採用された場合は、その国の高層気象観測システムを整備したりします。観測所は大体、へんぴな田舎にあるので、普通では行かないような場所に行ったりします。あと、ここ5年くらいはWMOの下にあるGRUAN(GCOS Reference Upper Air Network)に関わる仕事に力を入れています。100年後の人が行う気候研究に耐えられるしっかりしたデータを残せたらと思っています。
Q. この分野に入ったきっかけ
大学時代にワンダーフォーゲル部で登山をしている際に、天気に興味を持つようになったのがきっかけです。修士修了後の進路はモノづくりが好きだったことと気象に関連する企業に就職しよう思ったことから明星電気に入りました。就職してすぐにWMOの国際比較観測に参加する機会がありましたが、単にエンジニアとしての知識だけでなく、”気象学者並”の知見も併せ持たないと世界と勝負出来ないと痛感しました。そんな折、会社に「理工学系研究科博士後期課程就学支援」制度があることを知り、在職のまま博士後期課程に行けるということで会社にお願いして、博士を取得させてもらいました。
Q. 現在の研究(仕事)の魅力やおもしろさ
自分の開発した測器がお客さんに使ってもらえること。
Q. これまで研究(仕事)をしていて辛かったこと(解決策なども)
超短期かつ規模の大きなプロジェクトを任されて納期に間に合うかギリギリだったとき、原因不明の不具合に直面したときなどが辛かったです。最後は会社の仲間と力を合わせて解決しましたが、そういう過程は後から、良い?思い出になるときもあります。
Q. 研究(仕事)以外の楽しみや趣味
最近は日曜大工。
Q. 仕事とプライベート(家庭など)のバランス
極力、土日は仕事にならないように平日頑張ります。土日は主に子供の相手ですが、だんだん大きくなってきたのでもう少しで相手にしてもらえなくなるはずです。
Q. 進路選択を控えた大学生、大学院生へのメッセージ
モノづくりが好きだった私は、たまたま測器メーカーという進路を取りました。自分の興味から仕事を探していくのも良いですが、気象・防災という視点に立つと産学官の多くの人たちが関わっていることに気が付くと思います。そういう広い視点で一度自分の周りを見てみると、思いがけなかった自分に合った仕事が見つかるかもしれませんね。
Q. 民間経験・海外経験
やはり、大学や研究機関と比べると、組織で動くことが基本というのが大きな違いでしょうか?とくに、私の場合は製造業なので、営業・製造・検査・品質保証など多くの部門と連携して仕事を進めます。製品を提供するというゴールまでに関わる人がとても多いですね。