「自分の好奇心の種を見つけ、大事に育ててください。」
Q. 学部・大学院での専門
気候学、自然地理学/ 博士(理学)(東京都立大学)
Q. 過去の研究履歴(略歴など)
東京大学空間情報科学研究センター 研究支援員: 日本における地形と人口の関係をGISで解析
神戸大学国際文化学部 学振特別研究員(SPD): 19世紀以前の日本における気象観測記録のデータレスキュー
首都大学東京都市環境学部 特任研究員: 東・東南アジア諸国の気象観測記録のデータレスキュー
Q. 現在の専門分野(仕事の内容)
気象庁設立以前の日本の気候(特に小氷期末期)の特徴を明らかにすることを目指して研究しています。そのため、19世紀に日本で気象観測をしていたオランダ人をはじめとする外国人の気象観測記録を世界各地で発掘して、当時の気象データを整備し解析しています。また、18~19世紀の歴史文書に記録された天気の情報から、当時の気候の特徴や気象災害などを復元しています。
Q. この分野に入ったきっかけ
学部卒業後の進路を考えていた1997/98年、エルニーニョ現象が発生していました。その当時留学していたカナダのお天気チャンネルで、度々エルニーニョ現象が取り上げられることがあり、気候、とくに大気と海洋の相互作用について興味を持ったことがきっかけです。
Q. 現在の研究(仕事)の魅力やおもしろさ
ボロボロの歴史資料を掘り起こし、その中から手書きの「美しい」気象観測表を見つけたときには、遺跡を発見した考古学者のような(?)達成感を感じます。また、その歴史資料にたどり着くまで、また解読している時には、歴史学の専門家の協力が不可欠で、気象観測をめぐる歴史的な背景(江戸時代末期の日本で、なぜオランダ人が気象観測をしたのか?等)を知ることができるのも醍醐味です。
Q. 研究(仕事)以外の楽しみや趣味
ヨガ、 家族(子供・愛犬・夫)との日々の散歩や旅行、 ママ友達との異業種交流
Q. 仕事とプライベート(家庭など)のバランス
今は子供が小さいので、普段は子供中心の生活です。年に二度ほど海外出張に出かけるので、その時だけは100%研究モードで1週間ほど過ごします。
Q. 進路選択を控えた大学生、大学院生へのメッセージ
学生時代には、「なんとなく気になる」「知りたい」という自分の好奇心の種を見つけ、大事に育ててください。そのためには、たくさんの書物で勉強することも大切ですが、世界中の様々な場所に出かけて、多様な人たちと交流し、刺激を受けることが自分の糧になると思います。