「研究成果の社会実装の現場を見ると」
Q. 学部・大学院での専門
気象・気候 / 理学博士(東京大学)
Q. 過去の研究履歴(略歴など)
東京大学気候システム研究センター(現・大気海洋研) CREST研究員:
気候データ・モデル解析
総合地球環境学研究所 推進費プロジェクト研究員:
日平均降水・気温グリッドデータ作成・解析
Q. 現在の専門分野(仕事の内容)
データ同化、数値天気予報研究所の研究成果をとりまとめ、整理・整備してデータベース化する事業を担当しています。 そのほか、成果発信や一般・学生・生徒へ向けた地球環境問題を考えるイベントの企画・実施、その合間をぬって作成した日平均気温グリッドデータの信頼度向上のための解析研究をしています。
Q. この分野に入ったきっかけ
身近な天候・気候が地球のさまざまな気候・海洋変動とつながっていることが面白いと思い研究へ進みました。
Q. 現在の研究(仕事)の魅力やおもしろさ
地球研では地球環境を「人間と自然系の相互作用環」と考えて問題解決を目指しています。そのため、地球科学の枠に収まらないさまざまな専門をもつ研究者が連携してプロジェクトを進めており、新しい発見が多い環境です。
研究成果の社会実装の現場を見ることも新鮮です。
Q. これまで研究(仕事)をしていて辛かったこと(解決策なども)
業務として取り組んでいること(研究支援・データベース管理など)が多い一方で、業務が自分の研究活動となかなか結びつかないため、具体的な成果をあげることが難しくなっているのが現状です。
Q. 研究(仕事)以外の楽しみや趣味
ひとりで何もしないでボーっとする、お散歩する、旅をする
コンサートへ行く
子ども(8歳、5歳)の興味・疑問(どうして、なんで)にとことんつきあう
Q. 仕事とプライベート(家庭など)のバランス
夕方は保育園への迎えでリミットがあるので、仕事中は仕事に集中しています。
また家では仕事の話題はあまりしません。
実感としては、今しかできないということで子育ての優先度が高くなっているように思います。
Q. 進路選択を控えた大学生、大学院生へのメッセージ
就職活動、研究活動、家庭生活それぞれにおいて、がんばるところ、がんばりすぎないところを判断していくことで、うまく波に乗れるのではないかと思います。
研究生活も子育ても思うように動かないことばかりですが、その中に面白いこと、楽しいことがたくさんあります。
研究と子育ての両立
長距離通勤と研究、子育てとこなしきれなくなり、東京から京都への引越しを機にいったん研究から離れた時期がありました。ブランクがあると一般社会でも再就職が難しいですが、研究の最先端から離れてしまうという点でも難しさがあります。
私自身は幸い周囲の理解と環境に恵まれて、二人目を出産した後、2年の空白で研究職につくことができました。
今は育児優先の元研究者が働けるような研究補助業務が増えています。身分の安定化には程遠いですが、しんどいときには休憩をしてもよいのではないかと思います。