「大学に戻りたければ貯金してからでも遅くありません。」
Q. 学部・大学院での専門
気象/理学博士(筑波大学)
Q. 過去の研究履歴(略歴など)
理化学研究所 研修生: マルチスケールデータ同化の開発
Q. 現在の専門分野(仕事の内容)
通常より2桁大きい10000メンバーからなるアンサンブルデータ同化を用いて、遠方の観測が解析値に与える影響や大気の非ガウス性についての研究をしています。また、膨大な計算機資源がなくても効率的なデータ同化を行うために、現象のスケールに応じたマルチスケールデータ同化手法についても研究しています。
Q. この分野に入ったきっかけ
子供の頃から気象や天気予報に興味があり、大学で気象学を学んでいるうちにデータ同化のおもしろさに惹かれました。
Q. 現在の研究(仕事)の魅力やおもしろさ
誰も気づいていないであろうことを発見したとき。
ふと浮かんだアイディアを実装し、期待した成果が出たとき。
Q. これまで研究(仕事)をしていて辛かったこと(解決策なども)
数十メンバーのアンサンブルデータ同化システムは難なく動かせても、10000メンバーになると思わぬところがボトルネックになって、データ同化システムを動作させるだけでも大変でした。作図用のデータダウンロードに15時間、読み込みに6時間ほどかかるので、1枚の図を描くのも一苦労です。解決策は残念ながらまだ見つかっていません。
Q. 研究(仕事)以外の楽しみや趣味
家族団らん、ジョギング、お酒など。
Q. 仕事とプライベート(家庭など)のバランス
休日はできるだけ休んで、仕事のことを考えないよう心がけています。
Q. 進路選択を控えた大学生、大学院生へのメッセージ
気象や気候の研究は好きでも研究者を見据えた博士課程への進学については、進路に対する不安や経済的な理由で悩む方も多いと思います。そのような場合は1度就職し、一般社会人として気象気候の研究を見つめ直すのも1つの選択肢だと思います。就職先でやりがいを見つけられればそれで構わないし、大学に戻りたければ貯金してからでも遅くありません。
Q. 民間経験・海外経験
修士の学位を取って大学院を卒業後、大手都市銀行に3年間勤め、いわゆる窓口や営業ではなく信用リスクに係る業務をしていました。大学や研究機関とは全く異なる環境で、企業ならではのことを数多く学びました。結果的に博士の学位を取るのは遅れましたが、それ以上に貴重な経験をさせてもらったと思います。