謝 尚平

非寧静無以致遠

寧静に考えなければ遠くへは至らない、諸葛孔明が息子に残した言葉です。

謝 尚平

カリフォルニア大学
スクリップス海洋研究所 教授

Q. 学部・大学院での専門

①学部・大学院での専門:学部は海洋物理(中国海洋大学)、博士は地球物理(東北大学)
②最終学歴:博士(理学、東北大学)

Q. 過去の研究履歴(略歴など)

プリンストン大学:ポスドク研究員
ワシントン大学:ポスドク研究員
北海道大学:助教授
ハワイ大学:教授

Q. 現在の専門分野(仕事の内容)

大気海洋相互作用の観点から、気候変動や地球温暖化の研究をしています。大気海洋結合フィードバックが特定の空間パターンを選択的に成長させるメカニズムを主に解析しており、自分の研究はパターン力学とも言えます。

Q. この分野に入ったきっかけ

海洋と物理に惹かれ、海洋大学に行きました。1982年(学部3年)に強いエルニーニョが起こり、それをきっかけに大気海洋結合力学という新しい学問が生まれました。その大波に乗り、現在に至ります。

Q. 現在の研究(仕事)の魅力やおもしろさ

なぜ、どうしてという自然現象に対する好奇心を追求しながら、その成果は気候予測という社会的ニーズに幾分還元できること

Q. これまで研究(仕事)をしていて辛かったこと(解決策なども)

誰しも重要な研究がしたいものです。しかし、独創的で重要な研究とはどのようなものなのか、人によって異なります。私の場合、著名研究者と対話し、彼らの軌跡を参考にし、少しずつ研究に対する考え方が身に付くようになりました。既存の枠組みで完成度を極めるのではなく、新しいデータ、新しい手法、または新しい考え方を創出し、新しい現象・メカニズムを発見することが大事です。NatureやScience誌に紹介される他分野の成功例も参考になりますし、海外で研究仲間の輪を広げることも大事でしょう。

Q. 仕事とプライベート(家庭など)のバランス

子供が小さい頃、一緒に遊んだことは貴重な思い出になっています。アメリカの教職に就いた後、自分の研究に専念せざるを得なくなり、子育ては妻に任せきりでした。最近家族旅行に出かけると、娘に付いていく役目に変わり楽です。

Q. 進路選択を控えた大学生、大学院生へのメッセージ

自分に合った人生目標は必ずしも最初からはっきりしておらず、自ら模索した結果なのではないかと思います。鄧小平氏が打ち出した改革開放政策のお陰で大学へ進学でき、日本に留学する機会も得られました。東北大学で優秀な方々に囲まれ、互いに切磋琢磨するうちに、大気海洋結合力学を目標に定めました。「千里之行、始於足下」、自分の未来を探検しましょう。

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