「研究というのはやればやるほど楽しくなる類のものだと思います」
Q. 学部・大学院での専門
気象学 / 博士(理学・東京大学)
Q. 過去の研究履歴(略歴など)
気象庁気象研究所:研究官 メソスケールデータ同化・アンサンブル予報を用いた顕著現象の解析
気象庁予報部数値予報課:技術専門官 全球データ同化システム開発
Q. 現在の専門分野(仕事の内容)
気象庁の現業数値予報(特にメソスケールデータ同化・アンサンブル予報)の精度向上のための開発を行っています。
Q. この分野に入ったきっかけ
数学・物理学を用いて日々の生活に直結する自然現象の要因を解明・予測するという仕事の存在を知り、強く惹かれたこと。
Q. 現在の研究(仕事)の魅力やおもしろさ
日々の気象予報を改善できそうなアイデアが浮かんだ時。またそれが実際に改善に貢献した時
Q. これまで研究(仕事)をしていて辛かったこと(解決策なども)
論文の執筆がなかなか進まない時や、システムのバグがなかなか見つからない時は、終わりが見えない感覚になるので辛いです。できる限り他の仕事を頭の中からシャットアウトして集中して取り組む時間を作り、早めにこの状態から抜け出せるようにし(たいと思っ)ています。
Q. 研究(仕事)以外の楽しみや趣味
ジョギング・ピアノ
Q. 仕事とプライベート(家庭など)のバランス
バランスが取れている感覚は無いですが、仕事の時間以外はできる限り家事や子どもといる時間に充てるよう心がけています。論文の執筆や査読など集中が必要な仕事は子どもが寝ている間(深夜か早朝)にやることが多いです。業務時間内にすべて終わらせるのが理想ではありますが・・
Q. 進路選択を控えた大学生、大学院生へのメッセージ
私は大学院修士課程修了後、国家公務員試験を受験して気象庁に入庁しました(博士課程に進むことも検討したのですが、当時は研究者としてやっていく自信が無く・・)。気象庁入庁後に縁あって気象研究所に配属されたのですが、現在の専門であるデータ同化やアンサンブル予報の研究は気象研究所配属後に学び始めたもので、当初この分野にはあまり関心がありませんでした。しかし、これらの技術を詳しく学び、この分野の研究者と議論を交わしていくうちに、研究がどんどん楽しくなっていきました。皆様の中にも、現時点で研究を仕事として楽しむ自信が無いという方がいらっしゃるかもしれませんが、研究というのはやればやるほど楽しくなる類のものだと思いますので、このページを訪れるほど強い興味をお持ちの方でしたら、ぜひ気象研究の世界に飛び込んでみることをお勧めします。また、研究者になることを決心しているという方は、今取り組んでいる分野にこだわらず、様々な分野の研究に手を出してみると良いと思います。それが結果的に自分の専門の研究をより深めることにつながりますので。
Q. 民間経験・海外経験
2022年より2年間、米国環境予測センター(NCEP)への派遣の機会をいただき、現在初めての海外生活を送っています。生活環境については日本の良さを改めて感じる機会が多いですが、仕事を進める上での自由度の高さ(個人の裁量の大きさ)には大きな魅力を感じています。私はもともと海外志向の強いタイプではなく、派遣前は不安で仕方がなかったのですが、慣れない環境の中、手探りで自分の居場所を見つけるという経験ができたことは今後の自分の糧になりそうです。また、日本国内では会う機会のない多くの方と交流ができたことも大変良かったと思っています。