加藤 輝之

「何で、どうして」がスタート

加藤 輝之

気象庁 気象大学校 教授

Q. 学部・大学院での専門

①学部・大学院での専門:気象 ②最終学歴:気象大学校, 博士(理学・東京大学)

Q. 過去の研究履歴(略歴など)

1992年4月 気象研究所予報研究部研究官
1999年4月 気象研究所予報研究部主任研究官
2006年12月 筑波大学大学院助(准)教授兼務(~2010年3月)
2010年4月 気象庁予報部数値予報課数値予報モデル開発推進官
2012年4月 気象研究所予報研究部室長
2012年12月 筑波大学大学院教授兼務(~2017年3月)
2017年4月 気象庁観測部観測課観測システム運用室長
2019年4月 気象大学校教頭
2021年4月 気象研究所応用気象研究部長
2022年4月 気象研究所台風・気象災害研究部長
2025年4月 気象大学校教授 

Q. 現在の専門分野(仕事の内容)

線状降水帯をはじめとする集中豪雨のメカニズム解明に取り組んでいます。気象研究所が核となり、産学官が連携して、線状降水帯・台風関する研究を通してそれらの予測精度向上にも努めています。個人的には、梅雨期九州で早朝に大雨が多い要因の解明が大きなテーマになっています。大気熱力学が専門なのですが、気象大学校では、1年生・2年生を対象とした熱学の講義をしています。

Q. この分野に入ったきっかけ

大学時代からしばらくは赤道に熱源を置いた場合の大循環研究をしていましたが、気象研究所に異動になり、メソ気象の集中観測にかかわることで、その世界に足を踏み入れることになりました。その中で興味あること(大雨の実態解明)を見つけました。

Q. 現在の研究(仕事)の魅力やおもしろさ

学術用語というだけでなく、防災用語として、「線状降水帯」ということばを世間一般に広めることができたこと。

Q. これまで研究(仕事)をしていて辛かったこと(解決策なども)

梅雨期九州での大雨には南西諸島から東シナ海を通って流入する下層水蒸気が重要である論文を発表していたにも関わらず、沖縄での高層気象観測が廃止になったこと。ストレスの解消には、無性になって草むしりをすること。

Q. 研究(仕事)以外の楽しみや趣味

街歩き。庭いじり。

Q. 仕事とプライベート(家庭など)のバランス

休日には基本的には、メールを返さない。

Q. 進路選択を控えた大学生、大学院生へのメッセージ

この4月から専門外の科目を受け持つことになり、講義資料を作成しながら、どうしてそうなるのかと疑問になることが多々あります。研究もその延長線上で、「何で、どうして」がスタートです。すぐに解決できるに越したことはないですが、新たなことに取り組む場合は、試練の連続です。そこで、「あれこれ」考えているのが楽しいのかなと思い続けてうん十年が経ちました。あと、人との出会いを大切にしています。